ビジネスメールや社内外のやりとりで、「お耳に入れておきたい」という言葉を使ったことはありますか？
なんとなく丁寧そうで使ってみたけど、実は意味や使い方をちゃんと知らない…という方も多いかもしれません。
この記事では、「お耳に入れておきたい」の正しい意味、NG例、使える場面、さらには印象をアップさせる言い換えテクまでを丁寧に解説しています。
敬語表現に自信が持てるようになれば、あなたのビジネスコミュニケーションの質は一段とアップしますよ！
丁寧だけど自然、そんな“気の利いた言い回し”をマスターしたい方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
お耳に入れておきたいの正しい意味と使い方
お耳に入れておきたいの正しい意味と使い方について解説します。
それではひとつずつ見ていきましょう！
①「お耳に入れる」の本来の意味
「お耳に入れる」という表現は、「聞かせる」「知らせる」という意味の謙譲語です。
相手に対して、自分が情報を伝える立場であるときに使うことで、へりくだった印象を与えます。
たとえば、「この件、先にお耳に入れておきますね」と言えば、「事前にあなたにお知らせしておきます」といったニュアンスになります。
この表現は、「耳に入れる」という言葉に「お」をつけて丁寧にし、さらに謙譲語である「入れる」を使って、丁寧な敬語にしているのがポイントです。
ビジネスにおいては、目上の人やお客様に配慮をもって情報を共有したい場面で非常に重宝される表現です。
覚えておくと、柔らかく、しかししっかりと伝えたい内容を届けられますよ。
②「お耳に入れておきたい」は敬語として正しい？
「お耳に入れておきたい」は、正しい敬語表現として使うことができます。
ただし、若干文法的な違和感を覚える人もいるため、場面によっては別の言い方に言い換える方が無難な場合もあります。
このフレーズは、「お耳に入れる」に「～ておく（事前に）」という意味が加わったものです。
謙譲語＋丁寧語の複合表現なので、文脈次第ではやや回りくどく感じられることもあります。
ですが、「丁寧さ」や「慎重な姿勢」を伝えたい場面では、相手に安心感を与える良いフレーズと言えるでしょう。
相手との関係性や、伝える内容の重要度に応じて使い分けるのがポイントですね。
③よくある誤用とNGパターン
「お耳に入れておきたい」の使い方で注意したいのが、「丁寧すぎて逆に不自然」になるパターンです。
たとえば、「ご報告をお耳に入れておきたいと思っております」といったように、敬語が重なりすぎると、かえって堅苦しすぎる印象を与えることがあります。
また、「上司に対して命令形で使う」「友人に向けて使う」といった場面もNG。
あくまでフォーマルな敬語表現なので、親しい相手との会話では違和感が出てしまいます。
他にも、「聞かせてやる」というニュアンスに捉えられないよう、言い方や前後の文脈にも配慮が必要です。
シンプルで自然な使い方を意識するだけで、印象はぐっと良くなりますよ。
④使ってOKなビジネスシーン
「お耳に入れておきたい」は、さまざまなビジネスシーンで使えますが、特に効果的なのは以下のような場面です。
| シーン | 使い方例 |
|---|---|
| 上司への事前報告 | 「念のため、お耳に入れておきたい件がございます」 |
| お客様へのお知らせ | 「この点につきまして、あらかじめお耳に入れておきたいと存じます」 |
| 会議前の資料配布時 | 「本件に関する補足情報をお耳に入れておきます」 |
| リスクの共有 | 「トラブル防止のために、お耳に入れておきたい内容です」 |
このように、伝える内容に「重要性」や「慎重さ」が伴うときに、やわらかく情報を共有する手段として使うと効果的です。
言葉選びひとつで、信頼関係が深まることもあるので、丁寧な表現は武器になりますよ！
ビジネスでの「お耳に入れておきたい」使用例５選
ビジネスでの「お耳に入れておきたい」使用例５選をご紹介します。
それでは、それぞれのシチュエーション別に見ていきましょう！
①上司への報告メールで使う例
上司への報告メールでは、言葉遣いに慎重になる必要がありますよね。
そんなときに「お耳に入れておきたい」は便利なフレーズです。
例えば、以下のように使えます。
──
件名：【ご報告】○○プロジェクトの進捗について
本文：お疲れ様です。○○プロジェクトの進捗について、ご報告させていただきます。
本件につきまして、お耳に入れておきたい内容がございますので、下記にまとめさせていただきました。
──
こういった形で前置きに入れることで、「少し重要な内容ですよ」とやわらかく伝えることができます。
決して上から目線にならず、相手を敬う気持ちが表れるので、印象も◎です。
②クライアントとの会話で使う例
クライアントに対して何かを伝えるときって、できるだけ角が立たないように話したいですよね。
「お耳に入れておきたい」は、そんな気配りのあるトーンにぴったりなんです。
たとえば、こんなふうに使えます。
「本日ご提案させていただいた件につきまして、追加でお耳に入れておきたいことがございます。」
このように、情報を付け加えるときに自然な形で挿入できます。
直接的に言うと角が立ちそうな内容も、この言い回しでかなり柔らかく伝えられるんですよ～。
③チーム内共有で使う例
チーム内で情報共有をするときにも「お耳に入れておきたい」は役立ちます。
たとえば、Slackやチャットワークなどでちょっとした注意事項を伝える場合。
「あと、お耳に入れておきたい点として、明日の会議では◯◯について質問が出そうです。」
このように使うと、チーム内でも「これは気をつけたほうがいいな」と受け取ってもらいやすいんですよね。
気軽だけど丁寧な印象を与えるこの言葉は、チームワークにもプラスになりますよ。
④謝罪やトラブル報告で使う例
ビジネスでは謝罪やトラブルの報告も避けて通れないですよね。
そんなとき、「お耳に入れておきたい」を使えば、相手に対して誠意ある姿勢を見せることができます。
──
このたびは、当方の不手際によりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
原因につきましては現在調査中ですが、念のためお耳に入れておきたいことがございます。
──
このように、単なる報告ではなく、「事前に知っておいていただくべきこと」として伝えることで、相手の信頼を損なわずに済みます。
謝罪＋共有という形で使うと、すごく丁寧で印象も良くなりますよ！
⑤提案やアドバイスで使う例
提案やアドバイスを伝えるときって、押しつけに感じさせたくないですよね。
そんなときにも、「お耳に入れておきたい」がやさしく使えるんです。
たとえば、
「ひとつお耳に入れておきたいのですが、◯◯のやり方について、こういった手法もございます。」
この言い回しだと、相手に「選択肢のひとつとして伝えている」印象を与えられます。
アドバイスの押しつけ感が出ないので、先輩・後輩問わず、誰に対しても使いやすいですよ！
「お耳に入れておきたい」の言い換え表現６つ
「お耳に入れておきたい」の言い換え表現６つをご紹介します。
それでは、それぞれの表現について詳しく見ていきましょう！
①「念のためお伝えします」
「お耳に入れておきたい」を少しカジュアルかつストレートにした言い換えが「念のためお伝えします」です。
このフレーズは、相手に過度な緊張感を与えずに情報を伝えることができるため、汎用性がとても高いんです。
たとえば、「念のためお伝えしますが、会議の場所が変更になっています」など、ちょっとした変更点や注意事項に使うととても自然ですよ。
相手に負担をかけないトーンなので、社内外問わず、かなり使いやすい言葉です。
ちょっとした一言ですが、「気が利く人だな」と思ってもらえるかもしれませんね。
②「ご報告させていただきます」
「お耳に入れておきたい」よりも、もう少しフォーマルにしっかり伝えたい時には「ご報告させていただきます」がピッタリです。
この言葉は、上司やお客様に対しても失礼がなく、文書でも口頭でも使える万能表現なんですよ。
例えば、「先日の案件について、ご報告させていただきます。」という形で使えば、ビジネスメールの冒頭としてもスムーズです。
しっかりと報告責任を果たす意思が伝わるので、信頼感を持ってもらえますよ。
ちょっとかしこまった場面には、この言い換えがベストです！
③「事前にお知らせしておきます」
「事前にお知らせしておきます」は、相手に前もって知っておいてほしい情報を伝えるのに最適です。
「お耳に入れておきたい」と意味的にはほぼ同じですが、より簡潔で日常的な表現になります。
例として、「事前にお知らせしておきますが、今週の金曜は全社休業日です」など。
シンプルでわかりやすいので、社内連絡やお客様への案内など、幅広く使えます。
伝える内容の重要度がそこまで高くない場合や、確認の意味を込めて使うと好印象ですよ！
④「ご承知おきください」
ちょっと硬めの表現にはなりますが、「ご承知おきください」はフォーマルな場面でよく使われます。
これは「知っておいてください」「ご了承願います」という意味合いが含まれていて、行政文書や重要なビジネス連絡でも見かけますよね。
例：「本件につきまして、念のためご承知おきください。」といった感じで使います。
やや距離感はあるものの、きちんとした場では信頼感が増す表現ですよ。
契約関連やトラブル防止の注意喚起など、内容が重めなときに重宝されます。
⑤「お知らせまでに」
「お知らせまでに」は、「とりあえず伝えておきますね」というニュアンスのやわらかい言い換えです。
たとえば、「お知らせまでに、本日17時で営業を終了いたします。」といった形で使うことが多いです。
情報の重要度がそれほど高くない場合に、「一応共有しておくよ」と軽いトーンで伝えられるので、距離感の近い相手にはピッタリです。
特に社内のメンバーや気心知れた取引先などには、この言い回しで十分丁寧な印象を与えられます。
ちょっとした案内や補足に便利な言葉ですね。
⑥「一応共有させていただきます」
最後にご紹介するのが、「一応共有させていただきます」。
この表現は、「強制ではないけど、知っておいてもらえると助かる」というニュアンスを含んでいます。
例：「資料を一応共有させていただきますので、ご確認くださいませ。」といった使い方が自然です。
曖昧さを残すことで、相手にプレッシャーを与えない絶妙な表現なんですよ。
やわらかいトーンでありながらも、丁寧さはキープできるので、社内外でとても使いやすいです！
失礼にならないための注意点とマナー
失礼にならないための注意点とマナーについて解説します。
丁寧な表現は便利ですが、使い方を間違えると逆効果になることも…。しっかり確認していきましょう！
①目上の人に使うときの注意点
「お耳に入れておきたい」は、謙譲語を含む表現なので、基本的には目上の人に対して使ってOKです。
ただし注意したいのが、「目上の人への言い方が上から目線に聞こえてしまうケース」です。
例えば、「お耳に入れておきたいと思います」と単体で使うと、やや一方的に伝えているような印象を与えることがあります。
そんなときは、「失礼かとは存じますが」「念のためお伝え申し上げます」など、クッション言葉や丁寧語を補足して使うのがおすすめです。
一言添えるだけで、グッと印象が柔らかくなりますよ。
②口頭とメールでの使い分け
「お耳に入れておきたい」は、口頭でもメールでも使えますが、それぞれ適した使い方があります。
口頭の場合は、ややカジュアルめにアレンジして、「一応お伝えしておきますね」といった言い換えを使う方が自然に聞こえることも多いです。
一方、メールではフォーマルな文章構成の中に「お耳に入れておきたい」があると、丁寧さと気遣いが伝わりやすいです。
特に、報告・提案・注意喚起などの文脈で入れると、相手にも安心感を与えることができます。
使う場面によってトーンを調整することで、より好印象な伝え方になりますよ。
③過剰な敬語で逆に違和感を与える場合
敬語って、使いすぎると逆に「ちょっと気取ってる？」と思われてしまうこともあるんですよね。
たとえば、「ご報告をお耳に入れていただければと存じ上げます」みたいな敬語オンパレードだと、意味が伝わりづらくなったり、ちょっとクドく感じられたりします。
丁寧さは大事ですが、「伝わること」が一番の目的ですから、やりすぎは禁物です。
「お耳に入れておきたい」の前後は、あくまでシンプルで丁寧な表現にとどめておくのがベストです。
自然な敬語感を心がけていきましょうね。
④他の言葉と組み合わせるときの注意点
「お耳に入れておきたい」は、他の表現と組み合わせて使うときにも注意が必要です。
たとえば、「念のため、お耳に入れておきたい内容がございます」などはOKですが、「申し伝えたく、お耳に入れておきたく…」などと重ねすぎると、読みにくくなってしまいます。
また、「お耳に入れておきたいと思っておりますので、お聞きいただければ幸いです」などのように、同じ意味の表現を二重で使ってしまうと、クドさや違和感が出てしまうことも。
基本は、「一文一意」でシンプルに伝えることを意識しましょう。
読みやすさや聞きやすさを考えながら、言葉を選んでいくのが大切ですね！
印象をアップさせる言い換え＆プラスひと言テク
印象をアップさせる言い換え＆プラスひと言テクを紹介します。
ちょっとした工夫で、言葉に「温度」が加わるんです。順に見ていきましょう！
①相手を気遣う一言を添える
「お耳に入れておきたい」という表現だけでも丁寧ですが、そこに相手を気遣う一言を添えるだけで、グッと印象が良くなります。
たとえば、「ご多忙のところ恐縮ですが、お耳に入れておきたいことがございます。」といった具合です。
このように「ご多忙のところ」「お疲れの中」といった気遣いフレーズを冒頭に入れることで、ただの情報共有が「思いやりのある連絡」へと昇華されるんです。
相手に寄り添った言葉を使うことで、信頼関係を築きやすくなりますよ～。
②クッション言葉を使ってやわらかく
クッション言葉とは、ズバッと伝える前にワンクッション置くための表現のことです。
たとえば、「恐れ入りますが」「念のため」「差し支えなければ」などがそうですね。
「お耳に入れておきたい内容がございます」だけだとやや堅い印象ですが、
「恐れ入りますが、お耳に入れておきたいことがございます」と言えば、印象がグッと柔らかくなります。
ビジネスにおける“感じの良さ”は、こうした一言で大きく変わりますよ。
「言葉のマナー」は、気遣いの現れですから、積極的に取り入れていきたいですね！
③前後の文脈を整えるだけで好印象に
どんなに丁寧な言葉でも、前後の文脈が整っていないと違和感があります。
たとえば、「お耳に入れておきたいことがございます」だけをポンと置くのではなく、
その前に「本日、ご相談いただいた件について」と内容の導入を入れたり、
後に「念のため、下記に詳細を記載いたします」などのフォローを添えることで、スムーズな流れが生まれます。
ビジネス文書や会話では、「伝え方」だけでなく「伝える流れ」も重要なんです。
情報を丁寧に“運ぶ”意識で文章を組み立てていきましょう！
④「お耳に入れる」以外で信頼される表現術
「お耳に入れておきたい」はもちろん素敵な言葉ですが、他にも印象の良い表現はたくさんあります。
たとえば、「ご参考までにお伝えいたします」「補足情報として共有いたします」など。
これらは相手の判断を尊重しながらも、情報提供の姿勢がしっかり伝わる表現です。
「あなたのために情報を出している」という気遣いがにじみ出てくるんですよね。
言葉選びの幅を広げておくことで、場面に応じた表現力が身につきますし、何より“信頼される人”になれます！
まとめ｜お耳に入れておきたい ビジネスの敬語表現と使い方
| 使用シーン別の表現例 |
|---|
| 上司への報告メールで使う例 |
| クライアントとの会話で使う例 |
| チーム内共有で使う例 |
| 謝罪やトラブル報告で使う例 |
| 提案やアドバイスで使う例 |
「お耳に入れておきたい」という表現は、ただの敬語ではなく、相手への気遣いが込められた言葉です。
正しい意味や言い換え、NG例などを理解することで、相手に配慮しつつ、しっかりと情報を伝えることができます。
また、表現にひと言プラスしたり、クッション言葉を添えたりすることで、さらに印象を良くすることができます。
ビジネスにおけるコミュニケーション力は、こうした細かい表現の積み重ねで育っていきます。
ぜひこの記事を参考に、明日からのメールや会話に活かしてみてくださいね。
